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2008年6月23日月曜日

離人症とはどんな病気?

徹夜で仕事をした後や、夜行バスで夜通し車に揺られた後、自分自身の体がふわっと浮いたような、奇妙な感じに陥ることがあります。

また、いつも目にする風景が現実的に映らず、映画のスクリーンを通して見ているようにピンとこなかったり、妙に白々しく感じる、など。

このように現実感が薄れる感覚を離人症といい、一過性のものは誰でも経験することで、これだけでは病気とはいえません。

ところが、この奇妙な感覚が長く続いたり、繰り返し起こったり、苦痛を伴う場合を離人症といい、治療の対象となります。

離人症の特徴は、患者さん自身が、こうした奇妙な感覚が、自分の中だけで起こっているという自覚があり、外の世界に異常のないことを認識している点です。

また、離人症は、PTSD、うつ病や統合失調症の部分症状として現れることもあります。

症状について

症状は、次のように表現されることが多くあります。

■まわりの風景が、映画のスクリーンや、ベールやガラスを通して見えるようだ。

■ひまわりやスイカを見ても、夏だという感じがしない。

■周囲の人や物が模型のような人工的なものに見える。

■歩いても小走りしても、自分が動いてるような感じがせず、体が宙に浮いているような感じがする。

■好きだった音楽を聴いても、前のように感動しない。
喜怒哀楽が感じられない。

■物事を考えても、自分が考えているような気がしない。

■自分が生きているという実感がわかない。

周囲の人の対応

離人症に他覚症状はなく、周囲の人を困らせるようなこともありません。

患者さんが「気が狂いそう」などと訴えるなら、相談に乗るなどして、心配しすぎないように配慮し、回復を支援しましょう。